果実のBRIX計測

 オーシャンオプティクス : USB4000


オーシャンオプティクス製の小型分光ユニット:USB4000によるBRIX(糖度)測定の事例

USB4000シリコンフォトダイオードアレイを搭載した汎用小型分光ユニット
本体とPCをUSBケーブルでつなぐだけでスペクトル計測が可能な優れもの
USB4000はは400nm〜1000nmの範囲が計測可能
この帯域は近赤域の中でH2Oの吸収が比較的軽微なため高水分の生モノの計測に適します
果実計測は私が20年近く携わってきたJOBで、いろいろとコツがあるのですが、その一部を紹介します



 >>> 計測の様子  

果実を計測する場合も基本的に暗室を想定することはできません(>暗室でできても意味がありませんし、)
当然、実際の利用環境>農産現場を想定してシステム構築をしなければなりません
やはりラフな環境下でも淡々と機能するデュラブル性がないと実用技術にはなりません

本例でも、計測を遮光のないオープン環境下で行い、環境光の影響をシステム機能にて除去しています

   

オープン環境にて果実のバッチ透過(インタラクタンス透過)計測している様子


 >>> 計測の結果  

上記の計測バラックにより取得した600〜1000nmのスペクトルデータを補正処理する過程
補正処理とは、画像処理でいう最適化処理>ノイズリダクション(NR)のようなもの

最初のグラフはNR前の透過率スペクトルデータ(4データのみ)
よく相談受けるパターン>この生データをそのまま解析して、旨くいかない事がほとんどです
(フォアグラも生で食べたら美味しくありませんよね!)

   

次のグラフはNR後の透過率スペクトルデータ(4データのみ)
NRしてキレイになった状態です>もともと分光器は性能ヨイので情報はしっかりと取れています

   

次のグラフはNR後のABS2次微分スペクトルデータ(4データのみ)
素の状態(ゼロ次)では確認できなかったビハインド・ピークが沢山認識できるようになりました
このデータを基に変数抽出を行い、糖度推定値を算出します

   

変数抽出検量関数の構築には幾多の手法(MLR、PCR、PLS、NNW、など)があります
また、それらを運用するノウハウはなかなか教科書や資料には書かれていないのです(>当たり前!)
(ランエボを買うことは誰にでもできるけど、ラリーに出て優勝するのは難しいのと同じコト!)

最後の図は、上記の手順を経て作成した検量関数によって、別セットの評価用サンプルを推定した結果です
(検量関数詳細:MR>0.93、SEC>0.32、 評価時(グラフ)MR>0.91、SEP>0.39)