パスチサイド識別

 HAMAMATSUホトニクス : C9406


浜松ホトニクス製の小型分光ユニット:C9406による農薬識別の事例

C9406インジウムガリウム砒素センサを採用した次世代分光ユニット
従来のシリコン型センサでは計測が困難だった1000nmよりも長波長域を計測できる優れもの
C9406はは900nm〜1700nmの範囲が計測可能
この帯域は1000nm以下の帯域よりも豊富な情報(分子振動吸収帰属)が存在しており
シリコン型センサでは検出できない対象を計測できる可能性が期待できます
(旧来のPbSセンサによる検討でそれらは確認されています)



 >>> 計測の様子  

今回、識別に用いた市販の農薬>オレート、モスピラン、スミチオン、マラソン、

   

通常、ラボで液体の吸収スペクトルを取得するには計測セルを完全遮光の計測チャンバにセットします
ですが、、、実際の応用環境>作業現場では、そのようなキレイな環境を整えることはできません
システムはラフな環境下で機能を発揮してこそ初めて役に立つものになるものです

本例では、計測を遮光のないオープン環境下で行い、環境光の影響をシステム機能にて除去しています

   

オープン環境にて農薬を充填したチューブを反射計測している様子


 >>> 計測の結果  

上記の計測バラックにより取得した900〜1700nmのスペクトルデータを補正処理した結果
(補正処理とは、画像でいう画像最適化処理のようなもの)
グラフの表示様式は、吸光度二次微分スペクトルになります

   

1000nm以下の帯域では確認できない特徴的なパターンが農薬の種類毎に確認できます
特に組成的に近しい”スミチオン”と”マラソン”波形パターンに違いが出ているところが注目です
この波形パターンの違いを”判別分析”や”パターン認識”などで識別関数として構築すれば識別は完了です

一昔前は、コノ長波長域を計測するには高級機材(ブランルーベさんのIA-500とかNIRシステムさんの6500とか)
を使うしかなかったのですが、C94シリーズは二百万円以下の低価格でコレを実現可能としているところが画期的!
C94シリーズには受光センサに冷却デバイスを実装した高利得仕様もあり更なる高品位な計測が可能だそうです
浜松ホトニクス>エライ!、固体事業部>スゴイ!